会報   浅間山雪上訓練


                                                                                     雪上懸垂下降を体験

                                                                                     20032月  

   

 冬山訓練で長野県・浅間山へ行って来ました。それも初級で基礎的な訓練と言う事であり、基本から再度学んでみようと積極的に参加しました。

 28日(土)、朝3時半起床、4時出発。眠い・・・、前日もお付き合いで帰宅したのは、またまた御前様、さっき寝たばかりじゃないか、目覚まし時計が壊れているんじゃねえ〜か、と疑うが現実は厳しかった。

 メンバーの皆さんと合流し、酷寒の白夜をただひたすら、浅間へ・・・。軽井沢の警察署で状況確認をして浅間山の麓の駐車場に車2台を置き、支度にかかる。今回のリーダー Iさんからの指示で、ハーネス、ヘルメット、シュリンゲ、カラビナ、アイゼン、ワカン、ピッケルを用意するようにとの事前案内。皆黙々とパッキング、装備確認をして、食べる物は食べて、出す物は出して準備に余念はない。登山の装備はカタカナ用語が多く、カラビナ、シユリンゲ・・・どれがどれだっけ、ワカンない〜、と1人で馬鹿みたいな事を考えている。まだ酒酔いから覚めていないのかも。

 リーダーの山スキーを先頭に総員9人は噴煙たなびく浅間山へ一直線。飛行機雲が浅間山周辺に三本、四本と残っており、時間がたつと不思議な雲模様で地震雲に見えてくる。「♪さ〜んぽ進んで二歩下がる〜」と、噴火したら、即逃げる、の体制でなかなか足が前に出ない。皆はひたすら歩く、用心しているそぶりはない、一生懸命だ。多分危機管理意識はないのかも・・・。よく考えたら、噴火したら麓にいるのだから助かる確率はミリオン単位なことは云うまでもない。アホな事を考えながら歩いて一時間、1,500b地点でいよいよ訓練開始。

 基本の歩き方から始まり、斜行へと、実技と理論を織り交ぜての説明にメンバーは真剣そのもの。場所を移して、3b程の急斜面。「あ〜ッ、滑った」と、想定してのピッケルを使っての止め方訓練。なかなか止まらない。滑りすぎると殆ど止まらないことを実感しました。そこで良い事を考えた。絶対に滑らない事だ、と。次に、トップを登った人が滑った、次に続く人がザイルで確保する訓練、「う〜ん、なるほど。」

次に、懸垂下降、周りは木も岩もなく支点が無い。さてどうする。リーダーは斜面に近いところの平らな部分に直径1b前後の深さ10aの円の溝を掘った。そして、そこにザイルを回し、ハーネスを使い絶壁に近い急斜面を懸垂下降をした。雪にザイルを回しただけなのに・・・???何と不思議、へエ〜。

今度は我々メンバーが実践です。おっかなビックリ&へッピリ腰で挑戦。良い体験でした。アッという間に3時、ガキ大将とお転婆娘症候群の受講生は緊張感から開放されました。

 ホッとして、我に帰る。周りを見渡すと、この雄大な浅間山の麓の大自然と対峙できる事の幸せに思わず合掌した。

出来うるならば、この土地、この場所で熱い白濁の湯に浸かれるならばなお、幸せが倍加するのだが・・・。冬の短い1日、夕暮れが近い。「たそがれ清兵衛」ならぬ、「たそがれO山岳会一行」は充実した満足感で山を下りる。

 軽井沢の高級温泉に行くと、何と1,500円。さすが、けちなO山岳会「高い、他へ行きましょう」と婦人部。僕は既にズボンを下げ始めているのに・・・

未練がましく、僕はフロントに伺う。「9人だが団体割引でせめて、1,000円にならないか?」フロント「・・・」「じゃ、この近辺で1,000円の温泉教えてよ!」フロント「この辺は、何処も同じですよッ」しょんぼり・・・

ところが、車で10分、あったのです。500円の温泉が、「うそ言うなッ!」へっへへ。

 身も心も綺麗になり、今度は打ち上げ「そばパーテイ」。軽井沢で有名と言われる駅前本店は混んでいるため、その近くの支店の蕎麦屋に直行。私は旨いと思ったが、皆の意見は×。O山岳会御用達とはいかないようで、店主には更に精進をと期待して帰りの車へ。

 この会報を入力している三月三日(ひな祭り)、新聞に載りました。今回の政府の規制緩和で、民宿、農家などが「どぶろく」(自家製醸造酒)の製造・販売が出来る要件云々・・・。労山酒豪の面々の顔が目に浮かんできました。「どぶろく山行」てな具合になるのでしょうか?

大変役立つ訓練で、企画いただき有難うございました。懸垂下降は非常に参考になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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