カ ナ ダ 紀 行

 2011年4月、北米カナダの旅をした。カナディアンロッキーとナイアガラの滝を見るのが目的である。

 ナイアガラの滝は世界三大滝である。他の二つは南米ブラジル、アルゼンチン、パラグアイの三か国にまたがるイグアスの滝、そしてアフリカジンバブエ、ザンビアにまたがるビクトリアの滝。すでに二つを見終えているので最後の巨大滝となる。

 ☆ 出 発

成田からカナダのトロントまでは直行便で12時間

図柄はカナダの国旗「サトウカエデ」

サトウカエデのカナダ国旗

 カナダ国旗
 カエデの一種であるサトウカエデは、カナダを代表する木で、紅葉の美しさやその樹液からメープルシロップが作られることなどで良く知られている。

 開拓時代、食べ物がない冬の間、先住民の教えでカエデの樹液をすすって飢えをしのいだというカナダの厳しい自然の中での暮らしを象徴している。

 メープルリーフの周りの白は雪の降る様子をイメージしている。

 国旗の両側にある赤は向かって右側が大西洋、左側が太平洋を示している。カナダはロシアに次いで世界で2番目に広大な国土をもつ国である。

機内のカナダビールとカナダワイン

機内の夕食

機内の朝食はお粥

機内の若者A・Bくん

機内の若者Cさん

機内の若者Dさん

・・・・・・若者・・・・・・

 今回、機内や空港で4人の若者と出会った。
A・B くんは私の隣席、海外へ出るのが初めてだと言う。多少緊張していたが、徐々に打ち解けてきてしかも礼儀正しく明るい素直?な若者であった。大学2年生と4年生だと言う。
 手前のA君は4年生で、1年間休学してチリの首都サンティアゴでスペイン語の研修を受けると言う。もちろんその間、旅行や社会勉強もするらしい。
一方、B君は両親が中国人で日本にただいま留学中、こちらも1年間休学してカナダ・トロントでワーキングホリディをすると言う。中国語、日本語が出来て今度は英語とフランス語を学ぶようだ。

 なぜ留学するの? と野暮な質問をしてみた。 すると偶然か両君の父親共に 「留学して社会経験をして来い!」 と薦めたという。その理由が面白い。
どうせストレートで就職してもたいした社会人にもならないし、何より人生は短い。と云うような事を言われたらしい。その代わり金は最低限しか出してくれず、アルバイトで渡航費用をまかなったという。
 共通するのは両君の父親共に、若い時に漫遊の旅をしていることであった。若者二人の目は輝いていた。

 若者Cさんは早稲田大学在籍のお嬢さん。母親とカナダを巡ると言う。やはりワーホリで1年留学すると言う。今回は心配する母親同行で滞在先の下見に来たらしい。3人姉妹の真ん中で、親に負担をかけないため家庭教師など3つのアルバイトをこなしていて、今回の渡航費用も自分で工面したらしい。

 若者女性のDさんは、どうもピアノ専攻のようだ。飛行機の中の殆どの時間、食事時間を除いて譜面をみながらテーブルに両手をおいて指を動かし続けている。私にはショパンの「田園」のように聞こえて来るようだ。その指の動きが細かく早い、非常に熱心だ。

 奇しくも若者それぞれが希望に燃えてグローバルに行動している。時代が変わりつつある。自分の若い時と隔世の感がある。私も老後に備えてのんびりしてはおれぬ。世界の楽園を求め歩き、どうせならばどこか良い国の老人ホームを探さねば・・・。
 

 ☆ トロント

成田発トロント行きエア・カナダ

トロント着陸、トロントの街並み

 ☆ ナイアガラの滝

ナイアガラの滝、手前はホテル

      ☆五大湖

エリー湖からオンタリオ湖へと注ぐのがナイアガラの滝。上がカナダ、下がアメリカ国境となる。

建物はアメリカ側、こちらがカナダ

カナダ滝

カナダ側のホテルのライトアップ


ナイアガラを空から見るヘリコプター会社の車

ずぶぬれになるので雨具のサービス

背中にもナイアガラの滝

テーブルロックハウスの民芸品店

民芸品

民芸品

アメリカ滝とその向こうにレインボウブリッジ

カナダ側、カナダ滝のテーブル・ロックの下は滝の裏側が見られる

馬蹄形の別名があるカナダ滝。

動画  ナイアガラの滝

曲線の長さは670m、高さが56m

ライトアップしたカナダ滝

アメリカ滝は幅260m、高さ21〜34m

コーラの自販機もナイアガラ

スイセンの花弁にもナイアガラが写る、ウソ!

雪解けのアメリカ滝

カナダ側のスカイロン・タワー160m

右がカナダ滝、左はアメリカ滝、川の名はナイアガラ川

                                    動画  ナイアガラの滝

トロントの街並み、日系人が多い町

人口490万人、カナダ最大の都市

1615年フランス領、1759年イギリス領となる

アメリカとカナダの国境にかかるレインボー橋、二国の旗

トロントの繁華街

滝の周辺にはホテル、土産物店、レジャー施設が

広大な土地にはワイン畑が広がる。国土はロシアに次いで二番目

国道の向こうは五大湖最大のスペリオル湖、北海道より広い

  ☆ オタワ(首都)

オタワ国会議事堂

カナダ戦争博物館

リドー運河

国立美術館

  ☆ 一路、カルガリーへ

1000kmにわたる大平原

湖沼が多い

空港のミニ動物園

カナディアンロッキーの周辺図

 ☆ バンフ

バンフの朝、山に朝日が映える

温泉もあるバンフはカナダ最初の国立公園

1年に470万人の観光客

バンフは一大リゾート地

アイスフィールド・パークウエイを一路ジャスパーへ

両サイドに2000m級の山並みが続く

 ☆ レイク・ルイーズ

ロッキー山脈はロッキー(岩)が語源

ロッキー観光のハイライト「レイク・ルイーズ」

イギリス・ビクトリア元女王の娘ルイーズの名がつけられた。「ロッキーの宝石」と云われる美しい湖が広がる

動物が横断出来るための陸橋が所どころに

氷河が押し寄せる

カナディアン・ロッキーらしい景観

絵になる岩とその上の木々

樹林と岩石

湖は雪の下

カナダのガソリンスタンドは簡素

ビッグホーン

ヘラジカ

地リス

 ☆ コロンビア大平原

道路の融けた塩を舐めに野生のヒツジが現れる

岩と氷

コロンビア大平原レストランへ

大平原レストラン

雪上車

タイヤの高さは150m

ここまで雪上車で、氷河の厚さは350m

アンザイレンで山から下りてきたクライマー

タイヤの高さは人間と同じくらい

幅も1m位か

山も樹木も風で傾いている? そんなことはないか。

チーズの味見

右はジャスパー

 ☆ジャスパー

ジャスパー全景。ロッキーの北の基点

ジャスパー・フイアットバレーからの眺め

「すすり泣きの壁」はアイスクライミングの名所

 ☆ バンフの街

リゾートの街

アウトドア基地

 ☆ 空路バンクーバーへ

バンクーバーは人口211万人、カナダの西の玄関

バン・デューセン植物園は高級住宅街に隣接

7500種類の植物

  ☆ バンクーバー市内

オリンピック聖火台

前方の山が高級住宅街

スタンレー・パークのトーテムポール・パーク

スタンレー・パークから見るバンクーバーの街並み

ダウンタウン

同左

ライオンズ・ゲート橋

コール・ハーバー

グランビル・アイランドはマーケットが並ぶ

グランビル橋

  ☆ カナダの料理

前菜はサーモン、とにかくサーモンが多い

サーモンと野菜。カナダは水は無料でお変わり自由

ステーキは何と5cm、これで一人分

 ☆ エア・カナダの機中映画放送 : 「最後の忠臣蔵」

唯一の日本映画、2回も見ました。役所広司と佐藤浩市

桜庭ななみ

 映画「最後の忠臣蔵」 

 エア・カナダの日本人女性客室乗務員から「最後の忠臣蔵」がとっても良い映画ですよ、と薦められた。 酒を飲んでボケっとしていると、通路を通るたびに、「見ましたか!」 と3度も聞かれたので、見なければなるまいと半分寝ながら見ていると、後半が素晴らしかったので、2度も見てしまった。良い映画だ。

 赤穂浪士の生き残り2名にスポットをあてた脚本だ。主演が大石内蔵助の用人役:瀬尾孫左衛門に役所広司、討ち入り後行方不明となった寺坂吉右衛門役に佐藤浩市、大石内蔵助の隠し子に桜庭ななみ。

 原作は「十三人の刺客」の池宮彰一郎、監督が「北の国から」の杉田成道、音楽がこれまた雰囲気が良い加古隆による。
感心するのは、消えた赤穂浪士2名のその後を想像力たくましく位置付けている点だ。終盤の盛り上がりは、映画を見ている者の期待に応えてクライマックスに到達させてくれる。さすがである。

 今や主演の役者広司は、1996年から7年連続で日本アカデミー賞の優秀主演男優賞を受賞するなど、毎年の映画祭でその名前を挙げられないことはないほど名実共に、日本を代表する映画俳優の一人である。
 台詞が無くとも、また後ろ姿で演技が出来る数少ない役者と云えるだろう。
 役者広司は200倍もの難関である仲代が主宰する俳優養成所「無名塾」の試験に合格。芸名は前職が東京の役所勤めだったことに加え、「役どころが広くなる」ことを祈念して仲代が命名したと云われる。

 一方、佐藤浩市は父親が三国連太郎で毛並みはすこぶる良く、演技力の高さは知られている。

 また大石内蔵助の隠し子役桜庭ななみが良い。凛とした美しさと声がまた良い。そして安田成美の目にはうっとり!
 見事な演技陣である。 涙をさそう映画であった。

              動画 (You Tube) より   「最後の忠臣蔵」  

  ☆ カナダ年表

   年代            出来事   年代      出来事
  • 1000年頃  ノルウェー人がニューファンドランド島に上陸する。
  • 1779年    イギリスのノースウェスト会社(北西会社)が設立される。
  • 1497年    イギリス王の命を受けてイタリア人がニューファンドランド島に上陸し、同島沖合い  に巨大なタラ漁場(グランドバンクス)を発見する。
  • 1812年    米英戦争が勃発し、カナダはイギリス側に参戦する。
  • 1523年    フランス王の命を受けたイタリア人が大西洋岸を探検し、現在のノバスコシア州を「アカディア」と名付ける。
  • 1816年    ハドソン湾会社とノースウェスト会社が毛皮交易をめぐって争ったセブン・オークスの戦いが発生する。
  • 1534年    フランス王の命を受けたフランス人ガスペ半島に上陸し、1541年にかけてセントローレンス川を遡上探検。
  • 1818年    1818年の条約により、ロッキー山脈以東のカナダとアメリカの国境が北緯49度線に確定する。
  • 1535年    フランスケベック・シティモントリオール)に到着し、これらをフランス領土と宣言する。
  • 1821年    ハドソン湾会社とノースウェスト会社が合併する。
  • 1541年    フランスがスタダコナに到着し、フランス植民地を築く。
  • 1857年    ヴィクトリア女王の裁定により、フランス系のモントリオールとイギリス系のトロントとの中間地点であるオタワが連邦政府の首都に定められる。
  • 1583年    イギリスがニューファンドランド島に到着し、同島をイギリス領土と宣言する。
  • 1867年    連邦国家である自治領カナダが誕生する。
  • 1605年    フランスノヴァスコシア州アナポリスロイヤルに植民地を築く。
  • 1877年    長崎出身で横浜の大工、永野万蔵(1855年 - 1924年)が日本人初のカナダ移民としてバンクーバーに到着する。
  • 1608年    フランスがケベックに要塞を築き、ニューフランス(フランスが北アメリカに植民を行った地域)の首都とする。
  • 1885年    大陸横断鉄道が完成される。カナダ最古の国立公園であるバンフ国立公園設立。
  • 1610年    イギリス東インド会社が、現在のハドソン湾に到着する。
  • 1896年    金鉱が発見され、ゴールドラッシュが起こる。
  • 1662年    フランスがニューファンドランドに要塞を築く。
  • 1914年    カナダ、第一次世界大戦に参戦。
  • 1670年    イギリスの国策会社であるハドソン湾会社 (HBC) が設立され、カナダの大半を占有。
  • 1920年    国際連盟に加入する。
  • 1678年    フランス人がナイアガラの滝を発見する。
  • 1926年    連邦に外交権が認められ国際的に完全な主権国家としての地位を獲得する。
  • 1689年    イギリスの植民地軍がフランスのアカディアを攻略する。
  • 1931年    イギリス議会のウエストミンスター憲章により連邦の自治権が認められ、イギリスからの実質的な独立を果たす
  • 1700年    フランスイギリス等との間でアン女王戦争(スペイン王位継承戦争)が勃発( - 1715年)。
  • 1939年    カナダ、第二次世界大戦参戦。
  • 1710年    フランスの支配していたポールロワイヤルが陥落。
  • 1942年    前年の日本の真珠湾攻撃により、日本人全員の太平洋沿岸部からの立退命令が発せられる。
  • 1713年    フランスユトレヒト条約(イギリスの勝利)によりハドソン湾、ノヴァスコシア及びニューファンドランドをイギリス領と認める。
  • 1962年    カナダ大陸横断道路(全長7,775km)の完成。
  • 1744年    フランスイギリスの間でジョージ王戦争(オーストリア王位継承戦争)が勃発( - 1748年)し、イギリスがフランスのルイブール要塞を占領する。
  • 1974年    ケベック州において、フランス語のみを公用語と規定する公用語法が制定される。
  • 1758年    イギリスルイブール要塞を占領する。
  • 1976年    モントリオールで夏季オリンピックモントリオール大会開催。
  • 1760年 9月 イギリス軍がモントリオールを陥落する。
  • 1982年    イギリスのエリザベス女王がオタワの国会議事堂においてカナダ憲法に署名し、これが公布され法律的に完全な主権国家(独立)となる。ただし、ケベック州は署名を拒否する。
  • 1763年    パリ条約によりサンピエール島とミケロン島を除く全土が英国の植民地となる
  • 1988年    冬季カルガリーオリンピック開催。
  • 1778年    イギリス人毛皮交易所を建設する。
  • 2010年    バンクーバーオリンピックが開催される。
  •  ☆ 世界の三大滝比較

        ビクトリアの滝と動画

        ナイアガラの滝と動画

        イグアスの滝と動画

     感想・・・ 

     国土はロシアに次いで2番目の広さ、しかし人口は日本の1/3の33百万人のカナダ。
    歴史的にフランスとイギリスにより1400年代から400年間、1867年まで統治されてきた。地域的には今でも名残があり、英語とフランス語が公用語として使われている。

     広い国土には大半がアメリカとの国境に住んでいる。カナダを代表するのはナイアガラの滝とカナディアン・ロッキーなど大自然であろう。野生動物の宝庫と言われる。この4月は、冬でもなく夏でもないいわゆるシーズンオフ、ダイナミックなカナダを体験するにはシーズンを目がけて行くべきだろう。

     だが、きれいな国、安全な国、食事には必ず水が無料で、しかも安全な水、日本と同じである。またトイレも無料でチップの煩わしさもない。食事も良い。
    安心のできる国であった。

                                                                       カナダ 終わり

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