エルサルバドル共和国

銀杏(イチョウ)1銀杏(イチョウ)1

主産業はコーヒー

旅の初めに・・・

 2012年3月、エルサルバドルを計画。

 中米各国7カ国は貧困である。
特にホンジュラス、ニカラグアに次いでエルサルバドルもその部類の代表であるらしい。

 産業はコーヒー、サトウキビ等であるが、14家族と言う搾取貴族に国が左右されて発展が遅れ、更に内戦、大地震で国力がいまだ劣っているらしい。治安も良くないらしい。

 マヤ遺跡があるので、それを期待して行くことにする。

  


  ☆ 略 史

年  月

 略  史

1525

スペイン人がサンサルバドル市を建設後、グアテマラ総督領に編入

1821

独立宣言

1823

中米諸州連合結成

1841

同連合から分離独立

1962

国民協議党政権成立

1979

クーデターにより革命評議会発足

1989

クリスティアーニ大統領(ARENA)就任

1992

政府とゲリラの間で和平合意調印、内戦終結

1994

カルデロン大統領(ARENA)就任

1999

フローレス大統領(ARENA)就任

2001

1月及び2月に大地震が発生、死者1,259人、被災者150万人

2004

サカ大統領(ARENA)就任

2009

フネス大統領(FMLN)就任


      ☆ エルサルバドルとは・・・

 カリブ海諸国以外の米州大陸部全体で最小の国家であるが、伝統的に国土の開発が進んでいたこともあって、人口密度では米州最高である。

 紀元前にこの地には、インディオが暮らしていた。その後、スペインが1528年にエル・サルバドルのほぼ全域を征服した。

 エル・サルバドルはパナマ、コスタリカに続いて中米地域で三番目に経済規模の大きい国家であり、一人当たりのGDPは4900USドルに達するが、それでもこの国は発展途上国であり、多くの社会問題を抱え、ラテン・アメリカ全体でも上位十番以内に入る貧しい国である。約240万人が貧困層である。

 世帯主がアメリカ合衆国へ出稼ぎに行き、その仕送りで国内に残った家族が生計を立てている家庭が多いのが中米諸国の特徴であり、この国も例外ではない。しかし、アメリカでの同時多発テロ以降、アメリカでの滞在条件が以前よりも厳しくなり、就労ビザが取れなくなり強制帰国を命ぜられた国民も多く、社会問題となっている。

エル・サルバドルは570万人の人口を擁し、住民の90%を メスティーソ白人ラテンアメリカ先住民インディオ混血)が占める。


   ☆ニカラグア→(国境)→エルサルバドル

どこの国境も緊張を強いられる。賄賂を要求されることもある。ガイドは仕方なく払うらしい。

ガイドと車をバトンタッチ
国境管理官にチップという賄賂を払わないと、入国をかなり待たされ、嫌がらせがある。

荷物は車の屋根に、テントをかけて

国境に入ると必ずいる両替屋

どちらがレートが良いのか?

国境はトラックが数十台並び、24時間も待たされることもある。7カ国の主要運送はトラックなのである。

人が集まる所、商売がある。

警察官がたむろ、治安対策、麻薬の取り締まり。

7カ国全てのホテル、空港、公共建物に警官配備

貧弱な Duty Free

入国できるまで今日はボックス弁当

珍しい自転車

粗末な家並み

ゴミは気にならないらしい

雨さえしのげれば、寒くはない。

国道脇は全てゴミの道

ドライブインで買ってみたお菓子、辛くて不味い

誰も食べないが、運転手とガイドだけは旨そうに食べる


     ☆サン・サルバドル(首都)


市内

 スペイン語で聖救世主を意味する。

 エルサルバドルの人口の3分の1が集中している。そのため国富の半分が集中し、エルサルバドルの経済の中心となっている。市中心部には多くの高層ビルが立ち並ぶが、先コロンブス期の歴史的建造物は地震スペインの征服者ペドロ・デ・アルバラードによる破壊のため、現在ではほとんど残されていない。パンアメリカンハイウェイが市内を貫き、多くの都市と結びついている。また、同市はビールタバコ石鹸の生産地でもある。

 サンサルバドル市民は富裕層貧困層の二つに分けられる。
貧困は同市の最大の問題である。

革命のモニュメント

世界の救世主のモニュメント

民芸品

サンサルバドル市内

カテドラル

今日の夕食は日本食

久し振りの冷酒を楽しむ

市内

市場

買う気が起きない、お店が並ぶ


    ☆郊外

サンサルバドル火山展望台

サンサルバドル火山

溶岩


    ☆ ホヤ・デ・セレン遺跡

 1976年に発見されたこの遺跡は、600年頃に火山の噴火によって壊滅した村。

 火山灰の温度が100〜500℃と、さほど高くなかったことから、厚さ5〜7mの火山灰に埋もれた遺跡の状態は良好で、「新大陸のポンペイ」と称されている。遺跡からは、現在までに日干しレンガで造られた住居やサウナ、集会場など17の建物や畑が発掘されている。

 また、陶器、香具、シカの角製の髪飾り、染料といった日用品や農耕器具、化石になったトウモロコシやチリトウガラシ、カカオ豆なども見つかり、それまで不明だったマヤ文明の庶民の生活を知るうえでの、貴重な史料になっている。

中米のボンベイとも呼ばれるマヤ遺跡  世界遺産

博物館

640年頃、火山噴火で灰の下に

1300年間、火山灰の下に眠っていた


        ☆サン・アンドレス遺跡

 1910年に発見された。15の築山がある。マヤ文化を起源としているがマヤ文字が刻まれたステラがないことから、誰がなんの目的でつくったか、謎の遺跡。
 8世紀につくられ、その後異なる様式で表面が覆われた。
 11世紀ころにメキシコ中央高原で興ったトルテカの影響を受けている。

8世紀から造られ、1910年農園の測量時に発見される

当時も黒曜石が歯に埋められていた

復元される神殿

見学の女子高生が写真をとせがむ

ピラミッドは22m


どの国も花は綺麗

ランチタイム、先ずはビール

サラダ

スープ

連日のステーキが飽き、パスタに

またもや国境に

トラックは2kmも並ぶが、観光の車はお先に!

次はグアテマラ・・・

      ☆左翼ゲリラ

 16世紀から続いたスペイン植民地時代を経て、隣国グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア等と連合・対立を繰り返しながら、19世紀に独立。

 主力のコーヒー産業の不振で不安定化した経済を立て直し、20世紀半ばに中米一の工業国となる。
1980年、軍部と極右政府の暴力に耐えかねた民衆が左翼ゲリラとして団結し、国を二分する内戦が勃発。
 米国の政府軍支援により泥沼化し、国連のPKO派遣により1992年にようやく集結。戦後もいっこうに回復しない経済に不満を抱き、渡米を希望する若者が後を絶たない


      ☆マヤ文明とは 

 ☆マヤ文明における大規模かつ政治的影響が大きいもの、または考古学的に重要な発見があったものは次の8か所。

 マヤ遺跡は、現在判明している遺跡だけでも4400ヵ所を超えているが、マヤ文明を構成する人々とその文化は、現在のグアテマラ、ベリーズ、 ホンジュラス、エルサルバドル、メキシコの地域で、紀元前2000年頃から紀元後9世紀頃まで、2500年以上の長きにわたり繁栄を誇っていた。

             名称                   

               国                   

              説明                                       

  ウシュマル  メキシコ 精緻な彫刻で知られるプウク様式の代表的な遺跡。魔法使いのピラミッド、尼僧院といった遺構がある。1996年、世界遺産に登録された。
  カラクムル  メキシコ 古典期を通じてティカルとライバル関係にあったカーン(蛇)王朝の首都。高さ45メートルのピラミッド、構造物2などがある。2002年、世界遺産に登録された。
  キリグア  グアテマラ 卓越した彫刻の巨大なモニュメントで知られるモタグァ川流域の遺跡。古典期後期にコパンを破り最盛期を迎えた。1981年、世界遺産に登録された。
  コバン  ホンジュラス 立体的な浮き彫りを施した彫刻で知られるモタグァ川流域の大遺跡。神聖文字の階段や、王朝の歴史が刻まれた祭壇Qなどがある。1980年、世界遺産に登録された。
  チチェン・イッツァ  メキシコ 神秘的なセノーテやトルテカとの関連で知られる後古典期前半マヤ文明における実質的な首都。トルテカ・マヤ様式、プウク様式が混在する。1988年、世界遺産に登録された。
  ティカル  グアテマラ カラクムルと古典期マヤの覇権を争った大国の首都。密林の中に高さ50メートル以上の神殿ピラミッドが林立する。1979年、世界遺産に登録された。
  パレンケ  メキシコ 神殿ピラミッドの下部から王の墓が発見されたことで知られるウスマシンタ川下流域の遺跡。1987年、世界遺産に登録された。
  ホヤ・デ・セレン  エルサルバドル エルサルバドル西部に位置する古典期マヤの集落の遺構。「中米のボンベイ」として知られ、火山灰により集落が当時のまま残されている。1993年、世界遺産に登録された。

 マヤ文明の特徴として、以下のような点が挙げられる

  • 青銅器鉄器などの金属器をもたなかった
  • 生贄の儀式が盛んであった
  • 車輪の原理は、土偶などの遺物に出てくるにもかかわらず、実用化しようと考えていなかった
  • 牛や馬などの家畜を飼育しなかった
  • とうもろこしの栽培のほかにラモンの木の実などが主食だった
  • 焼畑(ミルパ)農法や段々畑・湿地で農業を行った
  • 数学を発達させた(二十進法を用い、の概念を発明した)
  • 文字種が4万種に及ぶマヤ文字を使用していた
  • 持ち送り式アーチ工法など高度な建築技術を持っていた
  • 極めて正確な暦を持っていた(火星金星の軌道も計算していた)
  • 多くの文明は河川の水の恵みにより発展してきたが、マヤ文明はセノーテとよばれる天然の泉により発展した


 マヤ文明崩壊の推理
 
・異民族の侵入
 ・疫病の発生
 ・都市間の争い
 ・支配者階級の反乱力を蓄えた地方首長などが王に対し反乱を起こしたという説。
 ・環境の激変、人口増加により食料が不足し、壊滅したという説。
 ・交易経路の変更、マヤ文明は交易により繁栄したが、経路変更により交易が衰退し、その結果として都市が放棄 
 されたという説。


    ☆中米7カ国比較

国名

人口

面積

首都(人口)

宗主国

言語

産業

特徴1

特徴2

パナマ

330万人

日本の1/5

パナマ・シティ
(70万人)

スペイン

スペイン語

海運・漁業・金融・観光・バナナ

パナマ運河

拡張工事2014年完成、現在の2倍

コスタリカ

450万人

九州、四国を足した位

サン・ホセ
(38万人)

スペイン

スペイン語

コーヒー・バナナ・畜産・砂糖・観光

中米で最も安定した民主主義国

高い教育水準常備軍の不保持、

ニカラグア

515万人

日本の1/3

マナグア
(168万人)

スペイン

スペイン語

綿花・サトウキビ・バナナ・米・タバコ

国民所得や識字率などが中央アメリカでも未だに低い

内戦が長引き、経済が中米で最低

エルサルバドル

685万人

九州の半分

サン・サルバドル
(32万人)

スペイン

スペイン語

繊維の軽工業・コーヒー・砂糖

米国へ出稼ぎによる家族送金で経済の下支え

14家族が土地を独占、貧困を招いた

ホンジュラス

748万人

日本の1/3

テグシガルバ
(110万人)

スペイン

スペイン語

木材・バナナ・コーヒー・綿花・砂糖

中央アメリカで最も貧しい国

アメリカ合衆国資本によるバナナ共和国が影響

グアテマラ

1,368万人

日本の1/3

グアテマラ・シティ
(204万人)

スペイン

スペイン語

コーヒー・バナナ・砂糖・綿花・カルダモン(スパイス)

米国へ出稼ぎによる家族送金で経済の下支え

マヤ文明
米国のフルーツ会社が搾取

ベリーズ

  31万人

四国と同規模

ベルモパン
(2万人)

イギリス

英語、スペイン語

観光・砂糖・オレンジ・ジュースバナナ美しい珊瑚礁に恵まれ、「カリブ海の宝石」と言われる米国、コロンビアの麻薬中継基地
          

 中米諸国の経済所得水準

        
上位のパナマ、コスタ・リカ、  中位のグアテマラ、エル・サルバドル  下位のニカラグア、ホンジュラスと三段階に別れる


 旅を終えて・・・

 国中がゴミだらけ、そんな印象の国であった。国土も7カ国の中で一番狭く、経済発展が期待されない状況なのだろう。国民の半数が貧民で、アメリカへ行っている出稼ぎの仕送りで大半が生活しているようだ。

 マヤ遺跡2か所を見たが、規模も小さく期待外れであった。

 「14家族」 と言う搾取軍団に入れてもらい、「15家族」目になりたかったが、あいにく家族もいないのと、恨まれるだろうから諦めて次の訪問国へ行くことにした。
                                                                      終わり

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