会報   道南の秀峰「大千軒岳」に陶酔

      

砂金とキリシタンの殉教、悠久の歴史が息づく山岳・・・



♪ 計画  2006614()17日(土)

 初日は大千軒岳、2日目につつじの綺麗な恵山・海向山、最終日は函館市の最高峰・袴腰岳と横津岳。初日は山岳会らしくテント、2・3日目は温泉宿で、の〜んびり・・・

閑人が時間つぶしの、三泊四日のハシゴ登山。4名参加。

♪ あぷろーち            

 もそもそと深夜に起き出して、札幌早朝4時発。皆がわずかな小遣いをはたいて、高速道路を利用する。4時間後に函館、更に知内温泉から5分で登山口道路の千軒地区に九時到着。そこから恋愛道路(惚れて、惚れて)を経て登山口の「奥二股キャンプサイト」に。

 

♪ 登山開始

 9時50分登山口(標高220m)を出発。登山道は、松前新道コース登り1時間20分、松前旧道コース2時間10分と、頂上への楽勝2コースがあるが、軟弱な閑人グループといえども一応は山岳会所属ゆえ、最難関の知内川コースを取捨選択した。

 夏山ガイドには、エゾ地キリシタン殉教(信仰のために生命をささげる)の地、長いが味わい深いコースと紹介されている。

 ブナの巨木を左右に見ながら吊り橋を渡ると、川に沿って早速高巻の連続である。高い所は100m以上もあり、高度感と恐怖感も味わえる。その後高巻、ヘツリ、渡渉、岩登り、雪渓登り、そして500mの急登が続き、沢登りの感さえ楽しむ事が出来る。

1時間後、「広い川原の最上流で、丸太を組み合わせた橋を渡る」とガイドにあったが、倒木が1本のみで、これは違うと判断し、更に上流の急流に行き着く。が、橋は無い。止む無くフイックスロープを張り対岸に渡る。少〜しアドベンチヤー気分に浸る。

♪ 金山番所(松前藩の砂金採取場所とキリシタン信者処刑場所)

 登りだして2時間、3.5`の標高390m地点に受難碑があり、白い十字架が建てられている。古くは鎌倉幕府第二代将軍・源頼家が砂金採取を命じて、採掘したというが、定かではないらしい。近年、徳川家康が松前藩に命じて、働く者その数8万人、彼らの住居が何と千軒。その千軒から大千軒岳と命名されたという説もあるそうである。

 島原の乱後、キリシタン禁止令により、松前藩に逃れた信者はついにこの地で106人が処刑されたという。今も難関の場所で、毎年7月に巡礼ミサが行われているという。

♪ お花畑の「千軒平」は天上の楽園

 金山番所から千軒銀座、休み台、ガンバレ岩を通過し、標高差570mの急登を喘ぎながらたどり着くと、そこは天上の楽園・千軒平(966m)である。シラネアオイが100m程の長さで、登山道の左右に群落として迎えてくれる。新道・旧道との分岐地点である。青紫のミヤマアズマギク、黄色のエゾカンゾウ、何とかイチゲ、何とかシオガマ、何とか・・・・。俗人をはらった高貴な山容、大千軒岳まで果てしなく楽園は続く。

広々とした広場に、白い大きな十字架が印象的である。左前方に大千軒岳が見え、十

字架の前で思わず手を合わせ(仏教)、柏手を打ち(神教)、十字を切る(キリスト教)

心境になる。右側の江良岳の左を巻くが、そこまでお花畑は続く。右側は日本海、青森県の岩木山、八甲田山が見えるらしい。

 大千軒岳(1071m)までは30分の至近距離。快晴の中、360度の眺望、海外(青森)は残念にも霞みがかかり、確認かなわず。しかし、頂上直下の千軒清水の湧き水は絶品であった。

♪ 温泉&グルメ

 通常登り4時間だが、アドベンチャー志向のメンバーは、1時間沢遊び?に熱中のため5時間、下り3時間。登山口に5時半着、大千軒岳登山者休憩所(山小屋)駐車場にテントを張り、知内温泉に急ぐ。温泉にのぼせ、フロント・女の子の愛嬌の良さと笑顔に見とれてのぼせ、天上の楽園にのぼせて、今日はよくのぼせる日だと幸せを痛感する。

 本日のメインディシュはシャブシャブ。十勝岳での、シエフ暢さん風料理。牛・豚・羊食べ比べ&野菜は今期の山菜収穫物・行者ニンニクの食べ放題。八時から10時位までは記憶曖昧ながら、長野新酒の五一ワイン(一升瓶)対新潟久保田(一升瓶)の対決頃から意識もうろう、何時の間にやらZZZ

♪ 敗退

 初日のみ晴れ、2・3日目は雨、最終日晴れ。変な天気で以後の山は中止。ひたすら温泉に浸る。「札幌ピオレ山の会」の下部部会・軟弱組「温泉部」の規約と年間活動のタタキ台素案を考えながら、恵山・ホテル恵風と落部・銀婚湯の名湯に酔いしれた。


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