会報    秋田県・森吉山

                      テントの中はプールに、有名温泉のハシゴにご満悦

                                                                           200.39


森吉山(1454M)は東北、那須と鳥海の両火山帯の狭間にある古い火山で秋田県東北部に位置している。現在は活動の兆しを全く見せず優美な山容で、独特の言語と習慣を持つ「阿仁マタギ」の故郷としても知られているそうである。

 麓から山腹一帯をブナの森がおおっているとの情報を聞き、ミニ白神山地を見る思いで山行に参加する。

 912日(金)、21時大宮出発。車2台、メンバー9人で翌日、ヒバクラ岳登山口に到着。寝不足! 登山口を八時出発、頂上までは3時間の行程。なだらかな歩みで、ハイキング気分が続く。ブナ林を過ぎると心地よい香りが漂い始め、香りの源であるアオモリトドマツやコメツガ、シラビソが現れる。

途中、水場が数ヵ所あり、泉がコンコンと沸いている。手がしびれるほどの冷たさと美味しさとに疲れが癒される。流石にブナの林で熟成された真水に全員感動!

 ごく一部のもみじが辛苦に色を付け、湿原の草紅葉も鮮やかである。行き交う人はたった一人。静かな静かな山である。頂上からはスキー場の建設でブナ林が削られ自然破壊に心がしばし痛む。

 薄もやの彼方に白神山地が広がり、遠く岩木山、八幡平、秋田駒ケ岳、岩手山、早池峰、鳥海・・・。

 下山途中、「泉コンコン水」をしっかりゲットし、今夜の水割りやカボス入り特性ショーチューに備える。

 ブナ林に囲まれたノロ川キャンプ場は今年から無料、素晴らしい環境で一面芝生、炊事棟も完備しトイレも水洗。広いキャンプ場にテントは我々と、ブンブンバイクの若者集団のみ、三連休なのに不思議???疑問解決!

台風ダッ

今夜のメインディッシュはリーダー特性「徳さんの牛丼」、「吉野家の牛丼」なんか比較にナラン。一口食べるごとにポツリ、二口目にはポツポツ、三口目でザ〜ッ・・・。

雨だけでは無い、風邪もついてもう嵐だ、いや暴風雨である。しかも広い広い大平原の中だ、風をさえぎる物は何も無い。百五十aの高さのテントが風邪に押されて五〇a、座っていても頭を上げていられない、それでも下を向きながらも酒を酌み交わしている。頼もしい面々としか言いようが無い。

その余波、テントの中はプールでした.シュラフの中も水。深夜車に避難する人、一睡も出来ない人・・・それでもごく一部の幾人かはぐっすり寝ていたとか、いやはやご立派。


九月14日(日)

                     

                                           桃洞沢                         ブナ林                                                クマゲラ                  


桃洞沢と桃洞滝

ナメで有名な沢である。そのナメも舗装道路のようだ。

相変わらず小雨交じりの為、本日の沢は中止。でも滝の核心部までは、行きたい、でまとまる。この沢はスゴイッ!(表現するのが面倒なのでインターネットを見て!)

ブナ林の中をノロ川が走る。いや、そんなに速くない。名前のごとくノ・ロ・イ。誰かが語る。のろいからノロ川なんだ!谷地ダモが現れる頃からイワナ

が目立つ。ノロ川をイワナが一瞬のうちに猛スピードで泳ぎ去る。ノロとイワナのスピードの競演だ。

幻のキツツキ、日本最大のキツツキを「熊啄木鳥」と言うそうです。読み方は

クマゲラ!

 真っ黒なマントに真っ赤なベレー帽をかぶり、キョトンとした目のキツツキ、無き声はキョーンキヨーン、それがクマゲラ、国の天然記念物。主な生息地は北海道富良野の北大演習林を中心として五百羽、本州はこの一帯、クマゲラ保護センターを中心として100羽と言うが、残念ながら本日は面会不能。

天候不順で沢を早々に切り上げ、皆の気持ちは一点に集中!そうです、ここは温泉の宝庫、それも秘湯が集中している東北なのです。

温泉第一ステージは

「国民宿舎森吉山荘」

素晴らしく綺麗で新しく立派。無色無臭の単純泉。安くて旨いリンゴを今夜のデザートとして確保、次ッ

    第二ステージ。目指すは十和田八幡平国立公園、

玉川温泉!

そうです。あの有名な、あらゆる病気に効能があると言う日本一の湯治の宿です。当時、中日の監督を投げ打ってまで、奥さんの病気療養で湯治に来たと言う星野監督(その後、阪神監督)の話は余りにも有名。

 ラジウムを含み、世界でも塩酸を主成分とした強酸性の泉質とある。総檜造りの大浴場は天井の高さが十五bもある広々としたもの、しかも高温・冷温の湯・泡風呂。寝湯・打たせ湯と十種類もある。源泉百lの湯に入ると一物や擦り傷がヒリヒリとして長くは我慢できない。

泉質が強い為、体力を消耗しやすいので、湯は五分まで、浴場には二五分までにして下さいとある。含有物である硫化水素とは、火山ガスや鉱泉中に含まれる腐った卵のような匂いを持つ無色の有毒気体である。

 湯治中の年配者に聞いた。「ここの湯は毒なんだ、病気の人は体が毒されているからこそ、毒で毒を制するのじゃ! 健康な人は毒されて、逆に病気になるから長い湯治はいかんのじゃよ!」と含蓄のあるお言葉でした。

この温泉を経営する鞄註」ホテルは、玉川温泉、新玉川温泉、東トロコ温泉と四カ所も営業し、秋田県トップのホテルでした。

 ホテルに今夜はゆっくり泊まりかな〜と考えていたら、さすがに山岳会、テンバを探し出した。食材を買って国道からわき道の川渕にテントを設営、あ〜、今夜は雨は降らないのだろうか?

スカラー電磁波の白い集団「パナウェーブ研究所」と同じ生活みたい。キノコ取りの車の人がいぶかしげに我々を見ていく。とても視線を合わせられない状況。

 でも、野菜中心の天婦羅とイナニワうどんが今夜の宴を彩る、当然「旨いッ」


         

       森吉山荘                          玉川温泉                        後生掛温泉


    温泉第三ステージ

後生掛温泉(ゴショカケ)

八幡平の秋田・岩手県境に湯煙を上げる一軒宿の温泉。硫黄泉(硫化水素型)の、湯治で特に地元では有名。新築同様で綺麗、湯治棟は一泊素泊まり千五百円は魅力。「馬で来て、雪駄で帰る後生掛」との戯れ歌もあると言うほど万病に効果があるという。

とりわけ女性に人気の泥湯美顔効果抜群との事。山岳会女性陣が湯から出てくると、まぶしくて直視できませんでした。ホント!

「山岳会 下部組織 秘湯研究会」副会長(会長は当然高橋トーゴさん)の私は反省しています。会長を差し置いて、まだ会長未踏の玉川温泉に先行した事は仁義に反すると言う事を。ゴメンナサイ。。。

 十月は岩手山だ、また温泉かな〜。人生は楽しい、この山岳会は素晴らしい!!!。


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