アイルランド紀行
宿泊のB &B (Bed and Breakfast) はクローバーが目印 |
旅の目的・・・ 2011年5月春、アイルランドの旅をした。 だが、アイスランドに至近距離なのです。 世界地図左上にあるのです。 昨年もアイスランドは火山噴火してヨーロッパの殆どの飛行機が飛べなかった。 この時、私はベルギーで1週間逗留する結果となり散々であった。 アイルランド旅行の目的は3つ。 そして三つ目は、アイルランドから多くの人々がアメリカに移民した原因と、その後についてである。
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☆地図&行程
火山噴火のアイスランドはシェトランド諸島の西側(左側) | 今回はレンタカーで一周の予定、12日の行程となる。 |
☆ 出発進行
千歳〜韓国インチョン空港〜ロンドン:ヒースロー空港〜アイルランド:ダブリン空港。飛行時間16時間、待ち時間4時間 | 機内サービスは2回、先ずはビーフ料理&ビール、ワイン | お待ちかねのビビンバ料理、コチュジャンをたっぷりと。 |
韓国インチョン空港は今や大きく大人気。 | 昔の宮廷衣装のイベントで賑わう。 | 竹細工など体験サービスが人気。日本にもほしい。 |
☆ ロンドン着〜アイルランドへ
ロンドン:ヒースロー空港も広くて迷う。 | 上から6段目、ダブリン行き搭乗口を目指す。 | 千歳朝9時発、時差9時間、日本時間は翌日早朝の4時 |
☆ アイルランド:ダブリン空港
アイルランドのエア・リンガス機でダブリンへ、 | アイルランド;ダブリン空港は広い平野の中にある |
ダブリン空港の中のレンタカー受付 | 9人乗りレンタカーはベンツ車 | ダブリン市内のホテルで疲れをとる |
☆ ダブリン〜ダンローグへ
市内も郊外も整然 | 集合住宅地帯もゴミはない | 12世紀ノルマン人が築いたトリム城 |
ギロチン台でお仕置き | ボイン川の古戦場 | ボイン川の標識 |
ボイン川は17世紀、フランス軍とイギリス軍で壮絶な戦いが繰り広げられた古戦場。イギリスが勝ち、以後植民地が続く。 | 要塞跡 | 左はアイルランド旗、右がEU旗、更に右にはアメリカ国旗。 |
「タラの丘」の案内板 | 世界遺産: 「タラの丘」に立つ石 | ハイクロス。当時、文字が読めない人々に絵を彫っている。 |
タラの丘」とは・・・ 美しい丘に遺構を残すのがタラの丘、石の柱があるだけで後は何もない。紀元前200年頃、アイルランドに移住してきたケルト(当時の中央アジア)人が大小の国を形成した。タラという王の中の王が連合国家を形成していたが、キリスト教が入り込むようになってから衰退していく。 |
タラの丘麓には、アメリカ:ケネディ元大統領の墓石もある | タラの丘麓には立派なビジターセンターがあり、腹ごしらえ | 世界遺産:ニューグレンジ 5500年前の巨大な墳墓群 |
☆ アメリカ大統領4人はアイルランド人の子孫 ケネディ、レーガン、クリントン、オバマ大統領は先祖がアイルランド出身。 1845年〜1850年、当時イギリスが植民地としてアイルランドを統治していたが、ジャガイモの疫病で主食が減り、残った少ないジャガイモもイギリスに持ち出され、多くのアイルランド人が餓死していったジャガイモ飢饉、この結果、人口の20%が餓死・病死、さらに20%のアイルランド人がアメリカ大陸へと移住していった。結果、国の人口が半分になったのだ。 ☆ アメリカ人種上位5カ国 1. ヒスパニック系(中南米) 45 百万人 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2011年5月、アメリカ・オバマ大統領はアイルランドを訪問。大統領の母方の祖先がアイルランド出身で、1850年にニューヨークに渡っている。 |
5500年前の遺跡前で、5500年後の若者が・・・ | どのような民族が作ったのかは判明していない | 渦巻状の模様は何を語る??? |
ボイン川の古戦場には大砲が | 街の中には古代の門が | 聖ピーター・アイルランド教会にあるミイラのレリーフ |
ハイクロス:十字架には絵が彫られ、意味が。 | ハイクロスの中の一つ:アダムトイヴ | こちらは民を率いるモーゼが描かれている |
☆ B&B の体験
四葉のクローバーが目印、ここは四つ星 | ここは民家改良型、平均部屋は10位 | ギネスビールで安着祝い |
B&Bの2011年版名簿 | 街、規模、料金、TEL、住所等が、何千件もある | おかみさん(左)と朝食 |
B&B とは? ベッド・アンド・ブレックファスト(Bed and Breakfast)とは、イギリスや北米、アイルランド、ニュージーランド、オーストラリアなど、主に英語圏各国における(多くの場合小規模な)宿泊施設で、宿泊と朝食の提供を料金に含み、比較的低価格で利用できるもののこと。 多くのB&Bは家族経営による小規模な宿泊施設である。通常の住宅・民家をリフォームして営業している宿が多い。日本の民宿のように観光地・リゾート地に立地するものばかりではなく市街地にも多く立地する。 日本の旅館や一部の民宿と似て、B&Bにおいても客室内に電気湯沸かし器(電気ポットとは異なる)を置き、ティーカップや紅茶(時にハーブティーも)のティー・バッグ、分包のインスタントコーヒー、宿によってはティーポットと菓子も、トレイに載せて用意し、宿泊客が部屋で喫茶を嗜めるようになっている場合が多い。 |
☆ ベルフアスト(北アイルランド)
市庁舎 | 幼稚園児の見学かな | 市庁舎前には、イギリス:ヴィクトリア女王の像 |
1912年のタイタニック遭難画像 | 1912年のタイタニックの遭難碑 | ここはタイタニック号が建造された場所。TITANICと読める。 |
☆ ポートラッシュの港
港 | タラの唐揚げ、人気店 | 熱々のタラの唐揚げが本日の昼食 |
☆ キャリック・ア・リード吊り橋
大西洋の北の端、吊り橋の看板 | 断崖と小さな島を結ぶ吊り橋 | 長さ20m。年に100人は落ちる、そんなことはない。 |
絶景が広がる |
☆ ジャイアンツ・コーズウェイ (柱状節理の石群)・・・世界遺産・・・
6100万年前に大規模地殻変動が起き、膨大なマグマ(溶岩流)が流れ、その後氷河が大地を削り、海水が凍って出来た |
ほとんどが6画形 | 世界的にも十指に入る奇景で有名 | (下)面目ない、さっさと帰ります。 |
☆オールドブッシュミルズ蒸留所(ウイスキー発祥の地)
1608年創業の世界的に有名なオールド・ブッシュミルズ蒸溜所 | ブッシュミルズ内のバー | アイルランドはウイスキー発祥の地として人気が高い。まろやかでとっても美味い。 |
☆ グリアノン・オイロック (紀元前5世紀の寺院跡)
ロンドン・デリーから30分、丘の上にある遠景の石の砦 | 寺院跡。湖や湾の絶景が広がる。周りはエニシダの群生地 |
アイルランドの樹木と花 |
アイルランドの5 月は、国中が白いサンザシと黄色いエニシダでおおわれる | サンザシの白い花 | 黄色いエニシダと牧場の羊 |
☆ グレンヴェー城
国立公園内にある城 | 内部は絢爛豪華 | 周辺のテーブルロック |
☆ イエーツの墓 (ノーベル文学賞)
アイルランドからは4人のノーベル文学賞作家が出ている。 |
☆ B&Bの内部
看板 | 入口の小人像 | おかみさん、旦那さんは裏方が多い |
ベッドはシングル、ダブル | お茶セット:紅茶の消費量は世界一らしく必ず用意されていた。 | 朝食はベーコン、目玉焼き、ハム、パンケーキとトースト |
☆ 古城と水道橋と泥炭
歴史が古い水道橋 | 奥さんと娘のために造った城は、今ではカイルモア修道院 | 泥炭は貴重な燃料となる |
☆ シー・フード
アイルランドは海に囲まれている。魚介類が豊富 | ビフテキもある。5cm? | チーズにおおわれたシー・フード。今日の夕食は豪華 |
☆ アラン諸島:イニシュモア島
フエリー乗り場 | 所要40分、波が高けりやゲロ袋必要 | 馬車、バス、自転車、ハイキングとさまざま |
ケルト文化の中心、人口900人の村に年間25万人が行く | 古代から現代の墓も観光メッカ | 見所は墓デショッ。。 |
死んでも愛されている人は違います。 | この人も惜しまれて? |
ドン・エンガスは古代遺跡、3000年前に砦は造られた | 断崖の先に腹ばいで90m下を覗く、恐怖! | 島にも牛が、うるさいからモ〜ウ帰れヤ〜 |
島の家や塀、区画は石で造られる |
セーターで有名な絶海の島々 | セーターの模様は石の壁の風景を写したもの | 民芸品 |
☆ 巨人のテーブル (大きな墓石)
大きな石はどのように上に乗せたのか? | 古代にも起重機があったのか?紀元前3500年前の墳墓 |
☆ モハーの断崖
海面から200m、断崖絶壁が8km続く | アイルランドは古城など古代遺跡が多い | フェリーで対岸へ |
☆ 民話や伝説が息づくディングル半島
何をしたんだろう? | 建設当時のままに残る「ガララス礼拝堂」 | 石造りのユニークな形が印象的 |
☆ 遺跡か城か・・・
橋でしょう | 廃墟となった城 | ♪ 松風騒〜ぐ 丘の上 ♪ 動画 「古城」 |
古代遺跡 | 古代鉄橋 | 古代鉄橋 |
アイルランド南部の土地は肥沃 |
◎アイルランドの農業 国土の16%が農地、48%が牧場と牧草地、合わせて64%が、平地が多く農業に適しているようだ。 とにかく国中が牧場に見えた。酪農主体の国だが、国内消費がほとんどで輸出までは出来ない経済状態らしい。 |
ここのB&Bは高校生の娘さんがお手伝い | ポストも車もグリーン | 街角のマリア様にお祈り |
ローソクにもスケリッグ・マイケル | カラフルなローソク |
☆ スケリッグ・マイケル (世界遺産)
沖合16キロメートルに位置する面積0.18平方キロメートルの急峻な岩山からなる孤島 | この日は波高く欠航 | 西暦588年に標高240メートルの島の山頂付近にケルト人により修道院が建てられた。 |
動画 スケリッグ・マイケル (←クリック)
2400段の階段を登る | 断崖絶壁 | アイルランドにおける初期キリスト教の僧侶たちは垂直に切り立った崖の下に、石を積み上げてつくった小屋で暮らしていた。 |
スケリッグ・マイケルの修道院は、823年のヴァイキング襲来にも耐えた。 | 1100年頃から施設は放棄され島には人が住まなくなった | 島の位置とその急峻さにより、現在にいたるまで修道院はその原型を良くとどめている。 |
バランスを崩すと海に直行? | 港はない。 | さようなら〜 |
近くのスモールスケリッグには海鳥の宝庫 | カツオドリの群生地 |
◎2009年に訪れた田中さんに画像をお借りしました。
☆ キラーニー国立公園
レディースビュー・ロス城 |
☆ ここのB&Bの女将さんは絵描きさん
☆ 大きくて小さな村ブラニー城
1446年、要塞として建てられた | 地上26mの城壁から逆さで壁にキスをすると雄弁になる | 係のおじさんに支えてもらう、度胸が試される。 |
アイルランドのカラフルな茶器
☆ 第二の都市 コーク
コークはアイルランド第二の都市、人口12万人 | 綺麗な街並み | 活気のある商都 |
風船を持つ女子高生 | コーク・マラソンの幟 | エリザベス女王は首都ダブリンとこの地コークを訪問 |
壁にも一輪の可憐な花 | 旧都だけに城門が |
今日の夕食はイタリア・パスタ料理 | 陽気なフランス人シェフが |
☆ 英国王室のグラビア写真特集
英国王室ウィリアム王子とキャサリン妃 結婚式 | アイルランドのB&Bにあったグラビア雑誌 | アイルランド人も祝福している |
弟? | 綺麗だな〜ア | ウワ〜ッ! やったア〜 |
こんな時代もありました。 | 女王も笑顔がこぼれんばかり | 穏やかですね〜 |
☆ 離婚するため「イングランド国教会」を作った王様 もともとイギリスははカトリック教会の一部であったが、16世紀のイングランド王ヘンリー8世の時代にローマ教皇庁から離れ、独立した教会となった。通常プロテスタントに分類されるが、他のプロテスタント諸派と異なり、教義上の問題でなく、政治的問題(ヘンリー8世の離婚問題)が原因となってローマ・カトリックから分裂したため、典礼的にはカトリックとの共通点が多い。イングランド(イギリス)の統治者が教会の首長であるということが最大の特徴である。 ちなみにヘンリー8世は6回の結婚をしている。 イングランドとアイルランドは、この王様によって信奉する宗教を変更されたのかもしれない。 |
☆ 最後のB&B
最後は星五つの素晴らしいB&B | ヒルサイドと云うから丘の上に立地 | 食事もひと際良かった |
向かいは広大な牧場が広がる | 牛さんも大歓迎 | にらめっこ、しましょう! モ〜ウ。。。 |
☆ グレンダーロッホ (初期教会の跡)
緑のトンネルが延々と続く | 初期キリスト教会跡 | 奥はラウンドタワー |
☆ 首都:ダブリン
トリニティー・カレッジはイギリスのエリザベス一世が創設した最古の大学 | トリニティ・カレッジの中には国宝「ケルズの書」がある |
☆ ケルズの書
蔵書がズラリ | ケルズの書は、8世紀に制作された聖書の手写本。 |
ケルズの書とは・・・ アイルランドの国宝となっており、世界で最も美しい本とも呼ばれる。 |
☆ダブリン市内
華やかな二階建てバス | 街を行く学生 | 散歩のアイルランド犬 |
☆ イギリス:エリザベス二世女王、アイルランドへ
エリザベス女王訪問の号外を配る | 第二の都市「コーク」訪問の記事 |
「TWO WOMEN ONE STORY」のタイトル記事 | エリザベス女王とアイルランド:メアリーマッカリース大統領 |
北アイルランド紛争 この地方では元々イギリスから移住したプロテスタントとケルト系アイルランド人のカトリックが混在しており、古くから対立していた。16世紀まで両者の対立は大したものではなかったが、宗教改革後、プロテスタントに乗り換えたイギリス人と、旧来の信仰を変えなかったアイルランド人との間で争いが活発化する。多数派のプロテスタント(イギリス系)が経済的にも社会的にも優位に立っていたのである。移住プロテスタント(イギリス系)はイギリスとの結びつきを望み、ユニオニストと呼ばれ、アイルランドとの結びつきを望んだカトリック(アイルランド系)はナショナリストと呼ばれる。 2011年5月、エリザベス女王はアイルランドを訪れた。実質上の関係修復と云われている。 |
☆ キリスト教内の対立
キリスト教の組織 キリスト教は世界で一番の信者数 20.4億人 を数える。 「カトリック」は全ての教会が中央であるローマ・バチカン市国の教皇庁に結び付いている。一方、 宗教改革(しゅうきょうかいかく)とは、16世紀のキリスト教世界における教会体制上の革新運動である。マルティン・ルター(ドイツの神学者、牧師、説教家。ルーテル教会の創始者)の贖宥状(16世紀、カトリック教会が発行した罪の償いを軽減する証明書)批判がきっかけとなり、以前から指摘されていた教皇位の世俗化、聖職者の堕落などへの信徒の不満と結びついて、プロテスタントの分離へと発展した。 |
☆ カトリックとプロテスタントの違い
項目 | カトリック | プロテスタント |
信者数 | 10.8億人 | 3.5億人 |
組織と階級 | ・ローマ教王(イエスキリストの代理人)→司教(ある教区を監督する立場)→神父(神と信者の仲立ちをする)→信者 | ・数多くの教派が互いの教義の違いを尊重し独自に活動。 ・神のもとでは万人が平等であるという考え方。 ・牧師と信徒がともに肩を並べて、神に祈りをささげる。 |
儀式1 | 聖書、儀式、伝統を重視。 | ・聖書の教えに忠実に従う。 ・敬虔、質素、倹約、清浄などをモットーとする。 |
儀式2 | ミサ (儀式を厳密に行う) | 礼拝 (儀式よりも聖書の朗読、牧師の説教を重視) |
秘蹟(ヒセキ) | 七つの秘蹟を重視 | 洗礼と聖体のみ。 |
洗礼 | 洗礼名(クリスチャンネーム)が与えられる。 | 与えない。 |
宗教歌 | 聖歌 | 讃美歌 |
懺悔(ザンゲ) | 自分の犯した罪を神父の前で告白し神に赦しを願う。 | 牧師は「信徒の代表」で告白を受ける立場にはないので行わない。 |
指導者 | 神父(階級あり) | 牧師(まとめ役) |
結婚 | 教王、司教、神父は許されない。 | 妻帯可能。女性も牧師になれる。 |
避妊・中絶 | 禁止。 | 容認。 |
マリア崇拝 | 認める。 | 認めない。 |
七つの秘跡とは カトリック教会が伝統的に認めてきた七つの秘蹟(ひせき)とは、キリスト教において、神と人間とを仲介し、神の恵み(神の人類に対する慈愛) を人間に与える儀式のこと。 離婚は認められておらず、世俗の民法上離婚して再婚した場合は、教会法上の重婚状態であり、その罪のため聖体 拝領を受けることができない。 |
☆ アイリッシュダンス
ダブリン市内 | ホテルの中のバーでショーが行われる | 街中で踊るアイリッシュダンス |
ホテルのBARでショーが始まるまでギネス・ビールを飲む | イカリングがあれば最高なのだが・・・ | BARはカウンター以外は日本の立ち飲みと同じ |
地下にあるショー会場 | 踊り子登場 |
お姉さんは茶目っ家たっぷり | ギネスビールは黒ビール | 今日はサーモン料理 |
ポーズをとる美人 | ついに我慢が出来なくなり自己流アイリッシュダンスを踊りだした |
アイルランド小史
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ダブリン空港を飛び立つ | 韓国インチョン空港で、待ち時間にキムチトーフ鍋で乾杯!! |
旅の感想・・・ アイルランド人はイギリスに対して良い感情は持ってはいない。原因はイギリスの植民地として辛い歴史がある。特に1845〜49年の大飢饉によって、アイルランドから多くの人が移民した。飢饉の直接的な原因はジャガイモ凶作だが、当時アイルランドを支配していた英国の植民地政策が悲劇の引き金となっていた。ジャガイモ以外の作物は収穫できたにもかかわらず、輸出されてアイルランド人の口に入らなかったのだ。生死を賭けて自国から逃げ出したアイルランド移民は貧しかった。そして移民先の英国やアメリカ大陸でも「劣等民族」として長い間差別 を受けてきたのだった。このことがアイルランド人のイギリス嫌悪につながっている。第二次大戦では、イギリス圏ながらも参戦せず、日本に一貫して友好的であり中立の立場をとっている。これは反イギリスの感情からと云われている。しかし、北アイルランド紛争で殺し合いに疲れた国家と国民は、特に最近の経済的苦境の打破と、隣国イギリスとの改善を望み、今回のイギリス・エリザベス女王の招聘となったようだ。エリザベス女王としても高齢であり、自分の代でアイルランドとの過去を清算しておきたかったと言われる。アイルランドを一周したが、街は整然として綺麗、ゴミはほとんど見当たらなかった。清潔感、そして一概に決めつけられないものの「陽気」な気質は確かにアイルランド人にはよく見られるという。人なつっこくて、話し好きで、世話好きで、といった国民性がアイルランドの魅力でもあるのだ。「酔っぱらい」も嘘とは言い切れない。何しろ人口百万人程度のダブリンに千軒近くのパブがひしめいているらしい。何しろウイスキー発祥の地でもある。時を同じくして、エリザベス女王がアイルランドを訪問した。今では多くの国民は隣国イギリスと友好を維持したいであろう。これで過去の清算がされるかもしれない。オバマ大統領も5月、申し合わせたように訪問している。厄介なのは宗教対立だ。しかし、世界の多くの若者は脱宗教となりつつある。今やインターネットと高い教育で宗教の何たるかを理解する人が多いからだと思われる。対立してはいるものの、アイルランドにおけるカトリックは87%を占めており、プロテスタントは3%に過ぎない(殆どが北アイルランド)。B&Bは快適であった。日本人と同じ優しさと親切さが感じられた。 最後にアイルランド人の優秀さに感銘した。国土が北海道と同じ面積で、人口が445万人のアイルランド。 |
参考文献・・・・・
・ ケルト入門書 発行:ミスターパートナー 発売:星雲社
・ lreland アイルランド政府観光庁発行
・ DUBLIN ダブリン・ガイドブック アイルランド政府観光庁 日本事務所
・ アイルランド 地球の歩き方 ダイアモンド社
・ 世界の宗教 21世紀思想研究会編 河出書房新社
・ アイルランド Wikipedia
アイルランド編終わり