南アフリカ旅行記

南アフリカ:ヨハネスブルグに降り立つ飛行機

動画=ヨハネスブルグ上空  http://www.youtube.com/watch?v=o9ZgJKvTTNQ

     

アフリカ大陸の標高は殆どが1500m程度、しかしケープタウンの街は海面に近く10〜20m。赤道が走っているが、以外に涼しい。

南アフリカの首都は「ヨハネスブルグ」とばかり思っていたが違った。「プレトリア」が行政府で人口147万人、「ケープタウン」が立法府で人口290万人、ブルームフォンテンが司法府で人口35万人。ヨハネスブルグは人口490万人で経済の中心地ということであった。

2010年3月、南アフリカの旅をした。ヨハネスブルグがハブ空港なので、何度か経由地点として空港には降り立ったが、魅力あるアフリカの国の一つとして訪れてみた。

南アフリカは、金やダイヤモンドの世界的産地であり、民主化後の経済発展も注目されている。従来のBRICs(ブラジル (Brazil) 、ロシア (Russia) 、インド(India) 、中国 (China) 、(sは複数形)に加え、BRICSとしてSが南アフリカ (South Africa) を表す用法も定着しつつある。そんな南アフリカはどのように発展しつつあるのだろうか? 興味は尽きない。

◎ 歴 史

年 代

          統治者

統治国

情 勢

1488

現地民族

ポルトガル人、ディアスが喜望峰発見。

1497

ポルトガル人:ヴァスコ・ダ・ガマ世界一周の時、立ち寄る。

1652

オランダ人の入植。フランス、ドイツからも移民。オランダオランダ人・リーベークが植民地を作る。

1814

イギリスとアフリカーナ(オランダ・フランス・ドイツ人達)イギリスがケープタウンを領地とした。アフリカーナがイギリスの支配を嫌い、内陸へ入り、共和国を作る。

1899〜1902

イギリスとアフリカーナイギリス金をめぐり、イギリスがアフリカーナに勝利、統治

1910

南アフリカ連邦(アフリカーナ)イギリスイギリスの自治領として、南アフリカ連邦を成立させ、統合独立させた。

1948

南アフリカ連邦・国民党→南アフリカ共和国南アフリカ共和国アパルトヘイト体制でイギリス連邦から脱退し、国際社会から非難される。

1989

デクラーク大統領 (国民党=白人中心)南アフリカ共和国国民党第8代大統領。アパルトヘイト撤廃。

1994

マンデラ大統領 (アフリカ民族会議=黒人)南アフリカ共和国

9代大統領

1999

ムベキ大統領  ( 同上 )南アフリカ共和国10代大統領

2008

モトランデ大統領( 同上  )南アフリカ共和国11代大統領

2009

ズマ大統領    ( 同上  )南アフリカ共和国12代大統領

      

   今回は成田発、香港経由〜ヨハネスブルグで、ANAグループである。今やJALと違い、サービスも良い。何度もワインの追加が可能。  香港の空港は広い。

   成田〜香港 = 5:10分  香港〜ヨハネスブルグ =13:25分 香港での待ち時間 1:00分 合計19:35分    機内は日本の映画もあり退屈はしない。

      

       香港からは南アフリカ航空。映画も音楽も??? 解らない。 持参の本を読むしかない。 黒人客室乗務員の女性の髪の毛が見事に編まれている。

◎ ヨハネスブルグ

   

            ヨハネスブルグの空港へ着陸準備。整然とした街並みが広がる。                          翼には南アフリカの国旗。

                

  ヨハネスブルグ空港。2010年ワールドサッカー開催地でサッカー一色。  マンデラさんの人形がお出迎え       マンデラさんのポスターにアメリカの大統領も

                            動画=ヨハネスブルグ空港  http://www.youtube.com/watch?v=SaUHwmaIwWs

空港の土産物売り場の壷には、色々の野生動物の絵が。アフリカらしい。

   

早速、空港で両替。1ランド14円。紙幣にはビッグ・ファイブの絵が。

      

                                               マンデラさんの元、居宅

                           動画 = マンデラさん居宅と旧黒人居住区   http://www.youtube.com/watch?v=EGMwCICaw80

アパルトヘイトApartheid)は、アフリカーンス語(最初に南アフリカに住み着いて、オランダ、フランス、ドイツ語圏住民がその後に融合して出来た言語)で分離、隔離の意味を持つ言葉。特に南アフリカ共和国における白人と非白人(黒人,インド、パキスタン、マレーシアなどからのアジア系住民や、カラードとよばれる混血民)の諸関係を差別的に規定する人種隔離政策のことを指す。

1948年に法制化され、以後強力に推進された。1980年代後半は、国際社会から激しい非難を浴び、貿易禁止などの経済制裁を受け、経済的に行き詰まった結果、1991年に当時のデクラーク大統領が法律撤廃を打ち出した。その後、ANC(アフリカ民族会議)など、解放勢力との長期にわたる交渉の末に、1994年全人種による初の総選挙が行われ、国際連合に「人類に対する犯罪」とまで言われたこの制度は完全撤廃された。

そして、初の黒人大統領としてマンデラ大統領が誕生する。現在は引退し、ヨハネスブルグで余生を送っている。91歳。専従警備員1人が付いてはいるが、杖を突きながら散歩する姿が見られると言う。未だに英雄として、国民から慕われていると言う。しかし、2010年ワールドサッカーの開催地である南アフリカ政府としては、何としても国民的な人気のマンデラさんを開会式の目玉として挨拶をしてほしいと計画しているが、国民の気持ちとしては、無理をさせないでそっとしてあげれば、と思っているらしい。

南アフリカ共和国はこのアパルトヘイト政策のために、選手団が32年間近代オリンピックからさえも追放されるなど強い批判を受けていた。今回はその苦い思いからの脱却なのであろう。

差別される側の黒人は約2500万人、インド系住民約90万人に対して、白人は490万人にすぎない。

白人政府は、「南アフリカにはたくさんの民族が住んでいて、それぞれ違う伝統や文化、言語を持っている。それぞれの民族が独自に発展するべきだ。アパルトヘイトは差別ではなく、分離発展である」と表向き主張した。しかし、ねらいは少数の白人による政治的経済的特権を維持し、安価な労働力を非白人から供給することにあった。

黒人達(全人口の77%)は白人が経営する農園や工場で働き、給料は白人の10分の1以下だった。しかも失業が多いため、一人の給料でたくさんの親戚を養うことも多かった。住む家も、空き地に粗末な小屋を立てて生活する人たちも多勢いた。

黒人達が住むホームランドや黒人居住区の道路は舗装されていない道が多く、舗装されていても穴が多く、維持・管理が不十分であった。今でも「下の左写真、旧黒人居住地区」は未舗装で電気も無いという。

      

 ヨハネスブルグの小高い一角は旧黒人居住区。今でも殆どが黒人だ。昔はアパルトヘイトで差別問題があったが、今は別の意味で差別が続いている。裕福な黒人が貧しい黒人を差別扱い、問題となっている。左の写真は、裕福な黒人のレンガの家の敷地の前にプレハブ様の小屋があり、1日いくらかで貧しい人達に貸している。

この辺は未舗装で、電気も無い。失業者が70%の地区。

中の写真〜「1976年6月16日記念碑」 ヘクターピータソンという13才の子供が、アパルトヘイト暴動で警官に発砲され、犠牲となった写真。この写真がきっかけで、世界的に白人の黒人に対するアパルトヘイトが問題となっていった。

写真右〜突貫工事中の2010年ワールド・サッカーのメイン会場。瓢箪型。

       小・草ぶき.jpg  

  ヨハネスブルグは危険度が多いので、街から郊外のホテルを薦められる。星4つの「ミステイヒルズカントリーホテル」の標高は1500m。部屋が一つ一つ小屋のよう。部屋(右)の中には 草葺の屋根まであり、今にも原住民が現れそうだ。少〜し怖い。 

      

                                        東京ドーム5つ位のホテル敷地は広くて迷いそうだ。 

                               ホテル・フロントにはマンデラ元大統領と現大統領の写真が。

             現「ズマ大統領」は、一夫多妻の慣習にならい2010年までに5人の女性と結婚、3人の妻を持つ。羨ましいと言うか、気の毒と言うべきか。

         

                            スタークフォンテン洞窟: 200万年前の女性の頭蓋骨。しかし最近になり、DNAで男性と判明。

     

                              「ライオン・パーク」 ライオンの赤ちゃんを抱いたり触ったり出来るので有名。

                              動画 =ライオンパーク   http://www.youtube.com/watch?v=ju1GbNJLS0k

       

      右のライオンの赤ちゃんと遊びたいのか、食べたいのか、ジッと見つめるハイエナ君。                            キョンシー?

                                 動画=子ライオン   http://www.youtube.com/watch?v=Dd7iOzYI5Ec

          

           優しいキリンは人気者。                  ダチョウは嫌われ者?                       シマウマは我関せず!

動画 =キリン   http://www.youtube.com/watch?v=DXrnFvA99MA

        

          キリンを見る白人の子供達                  豹はひたすら眠る                          ヨハネスブルグへの看板

◎ HIV (アフリカの悩み)

南アフリカやアフリカの多くの国が、国民の約4〜5人に1人の割合でHIVに感染している。エイズの蔓延によって、2010年までに国民全体の平均寿命は40歳以下に低下すると予想されている。感染経路として成人は性交渉による感染が多く(異常な犯罪率の為に強姦での感染も少なくない)、子供は母親から胎児の時にうつされていることが多い。

またHIV感染患者が爆発的に増加した80年代、「処女とコンドームを使わずに性交をすれば完治できる」といった悪質なデマが流布したため、非白色人種、特にまだ10代前半の黒人少女がHIV感染患者から強姦され感染するケースが多発した。

         

市内の民芸品売り場には、石や木の彫物が多い。

◎ ケープタウン

           飛行機で2時間10分、機内サービスの食事と、ワイン・ビールを飲んでいる内に、窓の外にテーブル・マウンテンの平らな大地が見えてくる。

      

      ホテルの前の教会                   街の中は整然、イギリスの領地であっただけに頷ける街並みだ。

     

    ホテル前の教会とテーブル・マウンテン             港のウオーターフロントから向かいのロビン島に向かう。テーブルマウンテンがスパーツと切ったようだ。

                          動画=ケープタウン   http://www.youtube.com/watch?v=r4X3Gwf6zUk

      

ネルソン・マンデラ元大統領が収容されていたロビン島。約3000人の黒人政治犯が収監。今は世界遺産。                マンデラさんの独居房

     

  世界遺産のロビン島から、同じく世界遺産のテーブル・マウンテンを見る。          ウオーターフロント                   テーブルマウンテンへはロープ・ウエイで

      

テーブルマウンテン頂上(1088m)からワールド・サッカー会場を見る。         ロビン島(船で30分)               

      

                                    登山道                                   ロッククライミング

動画=テーブルマウンテン  http://www.youtube.com/watch?v=t02fGj3rqWY

      

           スーパーでマンゴ(1個60円)を買う             本日の夕食は中華                       ホテル前の青空市場

      

アフリカらしい模様

☆ ドイカー島

      

                                 ケープ半島の景勝地ドイカー島には、オットセイとカモメが無数。

                                 動画=ドイカー島  http://www.youtube.com/watch?v=XiFvwDDkiDA

☆ ボルダーズ・ビーチ

    ケープ半島にあるこの辺はペンギンの住みか。

      

             土産物売る場のダチョウの卵。                                   ペンギン・ピーチ

動画=ペンギン  http://www.youtube.com/watch?v=6RqUQWIBNlA

☆ 喜望峰

      

    ケープ・ポイントのレストランではロブスターが           これが喜望峰:左がインド洋、右が大西洋             ケープポイント

                                    動画=喜望峰   http://www.youtube.com/watch?v=tRAR7Aym47c

      

                 ケープの絶壁                       野生のダチョウ                       

 

      

   この辺の海には昆布のお化けが、太いビニール・ホースのようだ。20〜30mの長さらしい。  「カーステンボッシュ植物園」 9000種類の植物が栽培・研究。

      

      

      

      

         

                  

                ケープタウンの本日の夕食は日本食と日本酒       大将は沖縄出身、江戸前寿司を沖縄の人が握り、南アフリカで食べる。少しややこしい。

      

         シグナルヒルからケープタウンの夜景を見る。                          教会と宿泊のホテル

帰国は香港経由。待ち時間はいつも2階のラーメンと生ビールで乾杯。変な大相撲の看板でも日本を感じ、長い旅はもうじき終わる。

                                                                                         おわり

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