ニカラグア共和国紀行       

 

ニカラグア湖と火山

 旅の初めに・・・

2012年3月、中米のニカラグアの旅を計画。 

ニカラグアと言う国は中米でホンジュラス同様、最も貧しい国であり、治安も悪いという認識位であった。原因はスペインに次いで、アメリカの圧政(アメリカのフルーツ会社による独占等)であると言う事位であった。

 主産業がバナナ、コーヒーなので、うまいコーヒーを期待して出かけることとした。

       


     ☆ ニカラグア

 ニカラグアは狭義の中央アメリカで最も面積が広い国である。1936年から1979年まで続いたソモサ一家の独裁政治と、ソモサ独裁に対するニカラグア革命後の内戦のために開発は極めて歪な形でなされ、そのために国民所得や識字率などが中央アメリカでも未だに低い水準にある。

 労働人口の40%以上が第一次産業に従事しており、主要産業はコーヒーバナナ、サトウキビ牛肉葉巻など。

 左図はモモトンボ、この火山は左右対称の均整のとれた姿をしており、その形はニカラグアのシンボル的存在として、マッチ箱の表紙絵から革命的な壁画にいたるまで様々な場所に用いられている。


      ☆ コスタリカ→(国境)→ニカラグア

中米の国境は緊張を強いられる。南米から麻薬がアメリカに渡る通過点の為、厳しいが、日本人は例外の様である。

国が変わると、車とガイドが入れ替わる。

国境でツアー客の荷物を運ぶポーター、ツアー客は出国審査を終えて、歩いて次の国の入国審査所へ行く

道路沿いの果物売り、貧しくこの様な小屋ばかり

パン・アメリカン・ハイウエイで次の街へ

ニカラグアはバナナ、コーヒーが名産

日本の八重桜にそっくりな「タブベイア」はニカラグアの国木

風力発電がこの国の主要エネルギー


      ☆ニカラグア湖

中米は火山帯が南北に走る。富士山に似た山が何度も見かける

モモトンボ山は噴煙を上げている

のどかな農村風景

樹木には実がほころんでいる

       ☆ニカラグア運河の夢

 ニカラグア湖は、ニカラグアにある淡水湖

 ラテンアメリカではチチカカ湖に次いで2番目に広い湖であり、世界で10番目に大きい淡水湖である。
 最大のオメテペ島には二つの火山がある。さらには、定期的に強力な
暴 風雨を発生させることでも知られている。

 ニカラグア湖は、マナグア湖からティピタパ川が流入し、サン・フアン川を通じてカリブ海に流出する。

パナマ運河の完成前、駅馬車線が狭い地峡を経て小高い丘を抜けて太平洋につながっていた。

 最初の大洋間をつなぐ運河の計画は、ニカラグア運河としてこのルートを利用することを考えたが、代わりにパナマ運河が作られた。

 ニカラグア国内では現在でも定期的に自国に運河を作る計画が持ち上がっているが、カリブ海に通じる川の下流は、隣国コスタリカ側にあり、コスタリカは自然保護の国でもあり実現は難しいと言われている。

 ニカラグアでは、運河の工事を中国、ロシア、日本に求めているとも言われている。

 運河を造るには、太平洋側のわずか数十キロ(赤線)であり、後は湖と川で非常に効率的なのであろう。


風情のあるレストランでランチタイム

ニカラグア・ビール

最高に旨いシーフード・スープ、具が一杯

果物売り屋

マンゴの木

奥がバナナ、手前がプランテーン

プランテーンは生で食べても味がしなくまずい

 プランテーンとは・・・

 1本の長さが、小さいものでも20cm、大きいものだと30cm以上。

 この
バナナは(正確にはバナナではなく、バナナに似たもの。)仮に黄色くなるまで熟させても、ほとんど甘くならない。実も硬いので、はっきり言って生食は不可能。ではどうやって使うのかというと、芋のように使う。煮たり、揚げたり。生で食べても味はしなかった。

 プランテーンを使うのは、ほとんどがアフリカ人か南米人。東南アジアの人達は、なぜか興味すら持たないそう。

タブベイアは国の木で街路樹、国中ピンクに染まる

ブーゲンビリアも満開


           ☆ グラナダ

 グラナダは中米最大の湖であるニカラグア湖に面した湖畔の町であり、1524年にスペイン人によって現在のニカラグア領内で最初に建設された。
 ニカラグアの古都として知られており、訪れる観光客も多い。現在でも伝統を重視した生活を営む人が多く、町全体にもどことなく落ち着いた雰囲気が漂っている。

 人口は約11万人でニカラグア4番目に大きい都市である。スペインの都市グラナダにちなんで名づけられた。

 町は、ニカラグアの支配権を得ようとするイギリス、フランス、オランダの海賊との戦闘や侵略に遭い、被害を受けた。

 長い間、グラナダはニカラグアの主要都市としてレオンと主導権を争った。グラナダは保守層に人気があり、一方レオンはリベラル派に人気があった。1800年代、2つの都市の妥協位置として、最終的に中間地点のマナグアがニカラグアの首都として創設された。

メルセ―教会

カテドラル

グアダルーペ教会

 

教会

内部

修道院博物館

         動画・・・・・グアダルーペ教会のミサ

修道院博物館内部

ガイドとニカラグア国旗

修道院博物館内部の庭

これから登るモンバッチョ火山(1345m)

グラナダのコロン公園

大道芸人

グラナダのコロン公園


     ☆ニカラグア湖クルーズ

 町の中心部から東に歩いて約1kmのところに湖畔に面した公園がある。ニカラグア湖は琵琶湖の11倍ほどの面積で、湖畔から見た眺めは海のようである。

 ボート・クルーズは1時間、野鳥や樹木、億万長者の家が建つ「群島ラス・イレータス」を訪れる。

グラナダの街から至近距離が乗り場

ガイド付き

湖水にはさまざまな鳥が

木の枝に巨大な蟻の巣

シラサギが多い

湖水を覆う鮮やかな樹木

億万長者の別荘「ラス・イレータス」の小島

モンパッチョ火山が爆発して出来た無数の小島

蟻の巣が多数

小島にはサルも生息

小島の別荘はコーヒーやバナナで財をなした長者が所有。電気、ガス、水道、上下水道も完備させるので、ン億円とか

夕方にはこの木が鳥で真っ白になると言う

ガイドの手品、島にある白い植物の茎を手にした

植物の茎を折ると花の様な芽が広がった。びっくり〜、パチパチパチ

古風な本日のホテル

王様のようなベッド


       ☆モンバッチョ火山

1345m、常に雲がかかつている。熱帯雲霧森

途中からは特別車にて

高度をどんどん上げる

熱帯の植物が軒並み

熱帯の植物が軒並み

日本のいすゞでした。車は全世界で日本車の信頼が高い

モンバッチョ火山管理事務所

山の模型、上の部分が爆発で吹き飛んだ

吹き飛んだ岩石が、ニカラグア・クルーズで見た小島になったと言う。その数は無数

吹き飛んで出来たニカラグア湖の小島

トレッキング開始、およそ2時間

アップダウンと濃霧の中を行く

人がやっと通れる。火山の贈り物

10〜30mの樹林帯

白い花

赤い花

黄色い花

ニッコウキスゲと同じ花の群落

頂上はお花畑が延々と続く

ここは天国か?

可憐ですね〜

ここにはこんなカエルがいるそう、会えなかった

麓の民芸品店

民芸品?

ランチタイム

グラナダの人気レストランへ

ニカラグアの郷土料理、右下にはプランテーションが


       ☆首都マナグア

 マナグアは、ニカラグア共和国首都である。人口は約185万人。中央アメリカグアテマラシティに次いで二番目に大きい都市である。

 1857年ウィリアム・ウォーカー率いるアメリカ傭兵隊によって、グラナダが破壊された後、マナグアに首都が置かれた。

    マナグア湖

 

破壊された街で一番立派なビル、コーヒー地主の所有

元大統領官邸は破壊され廃墟

マナグア湖は汚水で未だ浄化せず

丘の上には、現大統領奥さんの発案で塔が

塔の側には現大統領の宣伝像が権力の象徴?

革命家サンディーノ

       ☆ニカラグアの英雄

 1.サンディーノ

 サンディーノ (1895年 - 1934年) とは、ニカラグアの農民、愛国者、革命家であり、1927年から1933年にかけての駐ニカラグアアメリカ海兵隊に対する抵抗運動の指導者であった。政治的な理由によりアメリカ合衆国政府からは盗賊と見なされたが、その功績は彼をラテンアメリカナショナリズム(アメリカ主義)の英雄とした。

 ラテンアメリカにおけるアメリカ合衆国の支配に対する抵抗運動のシンボルとなった。

       ☆ ニカラグアの悪者

 

 1.ソモサ

 ソモサは、ニカラグアの政権を長年独裁支配してきた一族。

 アメリカの武力干渉下に創設された国家警備隊を背景に、3代に渡る親米政権を樹立し、独裁を続ける。親子で計43年にも及んだ支配はソモサ王朝(1937〜1979年)と呼ばれた。

 独立の父、サンディーノをひそかに暗殺したのもソモサであった。

 ニカラグアの国内総生産の約半分をソモサ一家の系列企業などで独占していたといわれ、ソモサ暗殺後、長男ルイス・ソモサと次男アナスタシオ・ソモサが相次いで大統領となったが、1979年ニカラグア革命で倒された。

 今日のニカラグアの国の貧困は、ソモサによると言われている。

 火山爆発や大地震で被災した時、世界中から見舞金が寄せられたが、殆どを親族で分けて、問題となった。

 2.ウォーカー ウィリアム・ウォーカー(1824年 - 1860年)は、アメリカ人の傭兵冒険家ニカラグア大統領(在任期間1856年

 1856年6月に57人の部下を従えてニカラグアに上陸した。ウォーカー軍は快進撃し、10月にはグラナダを占領して自由党の政治家パトリシオ・リバスを大統領に据える。
 ウォーカー自身は軍の最高司令官になり、実権を掌握した。しかし、当時ニカラグアは
パナマと並んで中米地峡における運河建設の候補地であり、これを巡ってウォーカーはリバスと対立するようになる。

1856年、ウォーカーは自ら大統領選挙に出馬して当選すると、すぐに生まれ故郷であるアメリカ南部の制度にならってニカラグアで黒人奴隷制を復活させた。
 さらにアメリカ人が土地を所得しやすくなる法律を公布し、英語を公用語にして、ニカラグアをアメリカ南部を中心にした環カリブ海帝国を建設するための拠点にしようとした。

  こうした動きに不安を感じた近隣の中米諸国は軍隊を集結させ、イギリスやバンダービルド財閥もウォーカーに敵対する構えを見せた。またこうした政策に反発したニカラグア国内の反ウォーカー勢力が結集し、結局ウォーカーは追放されるが、その際にグラナダに放火するという蛮行に走っている。

1857年にコスタリカ軍を中心とした中米連合軍に降伏し、最後はホンジュラス軍に引き渡され、処刑された。

 ちなみに、スコッチウイスキーの「ジョニー・ウォーカー」は兄弟である。 

内戦で廃墟となったカテドラル

至る所鉄砲の弾で穴が開いたカテドラル


       ☆レオン・ビエホ

 17世紀に廃れてしまったレオンの旧市街の遺跡が「レオン・ビエホ遺跡群」の名で、ユネスコの世界遺産に登録されている
 
 (レオン・ビエホは、「旧レオン」の意)。廃れてしまったことで、かえって初期のスペイン・コロニアル様式を偲ばせる遺構が保存された。

レオン・ビエホの看板

世界遺産看板

保存されている遺跡

スペイン軍が犬を使い、原住民族を滅ぼした

スペインの植民地化を語るガイド


        ☆古都レオン

 ニカラグアが1839年に中米連邦から脱退したとき、レオンはニカラグアの首都になった。人口は約14万5000人。

 旧レオン市街は1960年に発掘され、2000年にはユネスコ世界遺産に登録された。

古都レオン

レオンの象徴カテドラル

正面入口にはライオンの像が構える

中米最大の規模、屋上からレオンの街を見る

レオンの市場、旨そうな蟹

レオンの市場

レオンの市場

長い米粒

街路樹

桜もどき

黄色い桜?


       ☆ ニカラグア美人


      

      ☆中米7カ国比較

国名

人口

面積

首都(人口)

宗主国

言語

産業

特徴1

特徴2

パナマ

330万人

日本の1/5

パナマ・シティ
(70万人)

スペイン

スペイン語

海運・漁業・金融・観光・バナナ

パナマ運河

拡張工事2014年完成、現在の2倍

コスタリカ

450万人

九州、四国を足した位

サン・ホセ
(38万人)

スペイン

スペイン語

コーヒー・バナナ・畜産・砂糖・観光

中米で最も安定した民主主義国

高い教育水準常備軍の不保持、

ニカラグア

515万人

日本の1/3

マナグア
(168万人)

スペイン

スペイン語

綿花・サトウキビ・バナナ・米・タバコ

国民所得や識字率などが中央アメリカでも未だに低い

内戦が長引き、経済が中米で最低

エルサルバドル

685万人

九州の半分

サン・サルバドル
(32万人)

スペイン

スペイン語

繊維の軽工業・コーヒー・砂糖

米国へ出稼ぎによる家族送金で経済の下支え

14家族が土地を独占、貧困を招いた

ホンジュラス

748万人

日本の1/3

テグシガルバ
(110万人)

スペイン

スペイン語

木材・バナナ・コーヒー・綿花・砂糖

中央アメリカで最も貧しい国

アメリカ合衆国資本によるバナナ共和国が影響

グアテマラ

1,368万人

日本の1/3

グアテマラ・シティ
(204万人)

スペイン

スペイン語

コーヒー・バナナ・砂糖・綿花・カルダモン(スパイス)

米国へ出稼ぎによる家族送金で経済の下支え

マヤ文明
米国のフルーツ会社が搾取

ベリーズ

  31万人

四国と同規模

ベルモパン
(2万人)

イギリス

英語、スペイン語

観光・砂糖・オレンジ・ジュースバナナ 美しい珊瑚礁に恵まれ、「カリブ海の宝石」と言われる 米国、コロンビアの麻薬中継基地

          

 中米諸国の経済所得水準

         
上位のパナマ、コスタ・リカ  中位のグアテマラ、エル・サルバドル  下位のニカラグア、ホンジュラスと三段階に別れる


    

 旅を終えて・・・

 貧富の差が非常に目に着いたニカラグアであった。富の部分は一部分のコーヒーの大地主位であろうか。

主要幹線の両サイドはバナナの木が非常に多かった。未だ街は荒れ放題、ゴミは捨て放題であった。日本も戦後の一時期はこんなであったのだろう。

 政治体制が悪く、内戦が遅くまで続いたために中米7カ国の中でも立ち遅れているようだ。
原因の殆どがアメリカの搾取のせいと思われた。
 アメリカは今では世界の警察官とは言っているが、過去に近隣のメキシコから領土を半分も分捕り、そして中米に於いては悪政ばかりが目に付いている。

 いままた、ニカラグアではロシア、中国に運河開設の協力を仰いでいるらしいが、果たして良い方向に行くのだろうか。またまた搾取が繰り返されないだろうか。自国の一部の政治家に翻弄されてきた歴史があるのに、また・・・

                                                                 おわり

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