ジプチ紀行
ジプチはイスラム教の国、女性は黒頭巾 |
旅の初めに・・・ 2013年3月、ジプチと周辺国の旅を計画する。 ジプチの事前知識は殆ど無い。ソマリアに近い事は地図上で理解していたが、他の知識はない。 |
アフリカは現在54カ国、今回の旅で22カ国目となる | 四国の1.3倍の広さ |
ワンポイント情報 ・国名 ジブチ共和国 ・民族 ソマリア系イッサ族50%、エチオピア系アファール族(37%) |
* 厳しい自然環境のため国土の大部分で農業未発達。
☆出発
アラブ首長国連邦のエミレーツ航空を利用、成田〜ドバイ〜アジスアベベ〜ジプチへ。飛行時間18時間強、待ち時間8時間、合計26時間強 | シンガポール航空に次いで、世界で2番目に人気のエミレーツ。 機内映画は日本映画だけでも20本程度。退屈はしない。 |
☆ドバイ
トランジットでドバイは何度もおなじみ、行きつけのカウンターでワインを味わう。 | 色々の国の人々が利用するが、イスラム圏の女性を見るとここは中東と感ずる。 | アジスアベベ(エチオピア)経由の航空機を待つ |
エミレーツの機内食は美味しい、ワイン・ビール豊富 | アジスアベベ(エチオピア)に立ち寄る | アフリカ台地は高度が高い、だから涼しい |
国連機が駐機場に | アジスアベベからジプチへはエチオピア機に乗り換える |
☆ジプチ到着
隣国エチオピアとは友好国、だからエチオピア航空が乗り入れている。この後、滑走路を戦闘機 1機が火を吹いて飛んで行った。 | 戦闘機は海賊船対策の為、先進国各国が常設している戦闘機らしい。日本も最近になって常備しているらしい。 |
☆ジプチとは
ジブチ港の貿易とジブチ・エチオピア鉄道の収益に依存するなど典型的な中継貿易国家。ジプチ港はエチオピアの海上貿易のほとんどを担っている。その他フランス軍等の駐留による利益。第一次産業の従事者は多いものの、自然環境の厳しさなどの要因から、農業未発達で食料自給率は極めて低い。ソマリア沖の海賊の影響で中継貿易が半減し、船舶保険の高騰で経済的打撃をもっとも受けていた。 |
☆ホテル
ファイブスターのホテルが今夜の宿、港に近く入江に立っている。物々しい警戒で警備もすごい。 | ホテルはアデン湾にあるようだ。 | 赤十字の車もあり、不安もよぎる。 |
アデン湾をのぞむ、ホテルの前庭 | アデン湾。高級ホテルが立ち並ぶ | 先進国の海賊対策要員として派遣されているドイツ軍兵士の常設ホテルでもあった。 |
☆首都ジプチ
ジプチ湾 | ジプチはは、ジブチ共和国の首都であり、同国最大の人口と港湾を擁する都市である。 タジュラ湾の南岸に位置する海上交通の要衝であり、紅海の入り口にあたるバブ・エル・マンデブ海峡にも近い。人口56万人(2009年)。フランスの植民地であったという歴史的な経緯からフランス陸軍第13外人准旅団(外人部隊)が駐留中。 ジブチ市はアフリカの角でジブチ共和国の首都で同国最大の都市である。国の人口の3分の2は市に住んでいる。地理はイエメンの向かいタジューラ湾に海岸沿いに面している。市の特徴はその東の海岸と大セントラルマーケット、国立競技場スタッドデュヴィル、大統領宮殿沿いのビーチが有名である。その数多くのエキゾチックな建物・構築物は都市はヨーロッパ人の入植を受けた経験もあることから、"紅海のフランス香港"と評されることもある。 またエチオピアのアディスアベバと結ばれるジブチ鉄道があり、主に同国による鉄道輸送に利用される。エチオピアの対外貿易は目下、ジブチ港とジブチ鉄道により支えられている。 またジブチにとっても貿易と陸上・海上運輸産業は、ジブチの国庫収入の大半を占める最大産業である。 |
☆ジプチ観光
街のあちこちに見られる光景、宿なしか。 | ジプチは資源が、特に石油資源がない。だから中国は目もくれない。だから国のインフラは劣悪。 | 中国が面倒をみないので、道路は殆どが未舗装。アメリカも宗主国フランスも見て見ぬふり。 |
中国製品も入らないので、店先には商品も並ばない。 | ロバもトボトボ。食べるものも無いのは人間と同じとでもいいたそう |
☆大地溝帯(だいちこうたい)
ジプチ郊外の大地溝帯、落差100mを超える急な崖。1年に5mmほど動いていると言う |
大地溝帯(グレート・リフト・バレー)は、主にアフリカ大陸を南北に縦断する巨大な谷で、プレート境界の一つである。大地溝帯の谷は、幅35 - 100km、総延長は7,000kmにのぼる。正断層で地面が割れ、落差100mを超える急な崖が随所にある。 東リフト・バレーは、エチオピアから北に続き、ジブチで紅海とアデン湾に分かれる、アファール三重点を形成し、紅海からシナイ半島、アカバ湾、ヨルダン渓谷を通り、陸上の最低点である死海へと連なっている。 約1,000万〜500万年前から、大地溝帯の形成が始まったと考えられている。大地溝帯の形成は、地球内部のマントルの対流と関係がある。大地溝帯周囲は地熱温度が高いことが観測されている。これは、マントルの上昇流がこの辺りに存在していることを示している。 今のままで行けば、数十万〜数百万年後には大地溝帯でアフリカ大陸が分裂すると予想されている。 |
☆民芸品
大地溝帯の駐車場には民芸品が並ぶ | 貧国ゆえその辺の石や木を集めて加工、商品とする | まともな商品は見当たらない |
主要幹線沿いの民家。テントらしき。棒杭はヤギなどの囲い |
☆アッサル湖
アッサル湖 | アッサル湖とは、ジブチの中央、タジュラ州の南端に位置する火口湖である。一部はディキル州にかかっている。アファール盆地の海面下153 mに湖面があり、それはアフリカ大陸の最低標高地点でもある。 湖面の長さ10 km、幅7 kmであり、湖の表面積は54km2である。平均水深は7.4mと浅く、貯水量は0.4km3 ある。集水域の面積は900 km2である。 湖の畔は塩原に囲まれている。主に北西部に広がり、西部にもその一部が延びる。その岩塩は採掘され、キャラバンが組織され、エチオピアまで運ばれ、通商の材にされている。 アッサル湖は塩湖であり、湖水は、地球上で最も塩濃度が高い。34.8%と、死海よりも塩を多く含んでいる(水深20mで、39.8%の塩濃度が測定された)。湖の水源は、10km南東にあるアデン湾の西端であるタジュラ湾 からの海水で潤される地下水脈である。 |
ボリビアのウユニ塩湖を彷彿とさせる | 高度計はマイナス135mを表示 |
塩湖の側の民芸品店で売る塩、ここのしおは円いのが特徴 | 1本10円程度 |
塩湖の上を歩く | 塩湖の岸辺 |
白いかたまり、良く見ると円い粒 | 水たまりを掘ると簡単に取れる | 苦いを通り越して辛いと言うべきか |
観光客は2本、3本と買おうとしたが、最後は誰も買わない。重いのが嫌なのだ。薄情者! |
一晩で木の枝につく塩 | 動物の死骸にも塩が。塩漬けの料理は如何〜 |
ガタガタ道は続く。 この辺に石油資源が発見されれば、いの一番に中国が駆け付け、舗装してくれるだろうに。そして安い中国製商品、中国人労働者もセットで。 それまでは日本のODAで我慢を。日本の地味な支援は果てしなく続く・・・ |
車の90%は日本の中古車、中はボロボロ、それでも走る | 国土のほとんどは農作物が育たない |
地域住民はラクダを育てている | 国の至る所で塩湖、これとてさほど経済価値はない | か細い木がラクダの食料 |
☆ランチ・タイム
隣国エチオピアは農作物が豊富、友好国ゆえ輸入OK | 宗主国がフランス、だからパンは抜群に旨い、チキン | デザート |
☆モスク
市場の前にはモスクがある。古くいかにも最貧国のモスクと見られる。 観光客が写真を撮ろうとすると、近くの労働者や市民が烈火のごとく怒り出した。途上国で観光客になれていない国民は、写真を撮られるのを異常なほど嫌う。 信じる者は救われるのだろうか? 彼らを見ていると救われたとは思えないのだが・・・ |
☆市場
野菜や果物、生活用品の他、土産物屋もあるが、殆どは輸入品のようだ。ジブチには今でもフランス軍が駐留しているので、観光客の多くはフランス人のようである。輸入品はエチオピアからが多い。 |
敬虔なイスラム国家、37度と暑いのに黒頭巾 | ジプチで一番のスーパー |
食料品から | 日用品、雑貨、ホームセンタまで |
☆ 略 史
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旅を終えて・・・ 資源も無い、豊かな農地も森林も無い、産業も無いから良い働き場所も無い。ないないずくしの国である。 アフリカの多くの国はこの暑さに耐えるだけで体力を消耗してしまう。働く意欲など失われるのは当り前であろう。特にイスラム圏にこの様な環境が多いように感じられる。 いつもながら感じる。それにしても日本は住みやすい所であろうか。水は旨くて安心、食料も豊富、インフラも良い。治安も良い。緑も森も多く世界一。 極端だが、ジプチは識字率30%以下、日本は99.0%。平均寿命はジプチ55.3才、日本82.9歳で世界一。 余りにも違いすぎる環境。 石川啄木の「はたらけど はたらけど猶わが生活楽にならざり ぢつと手を見る」 の句を思い出してしまった。 終わり |